もじもじ

カーテンコールを受けるのは俺たち

友人と恋人

いま付き合っている彼は、知り合って10年来の友人である。付き合ってまだ1ヶ月しか経たない。

同じ部活で高校3年くらいからだいぶ仲良くなり、別の大学に行っても、就職で住むところが離れても、付かず離れず仲良くやってきた。本当に気が合ってたけどお互い彼氏と彼女がいたのでそんな感じにもならず、どちらかが別れたりしたらわたしは友達に「あの子とは付き合わないの?」とか聞かれるくらいには仲が良い認知もされていた。友達が深く狭いので、お互いの交友関係知ってる人が多い。

普通、相当に気が合う身近な異性とは付き合ったらどんな感じかな、とか恋人候補になったりするものだと思う。と思う。

でも、ほんとに彼が恋人になるなんて考えていなかった。自分でも不思議なくらい。

少し自分の気持ちに引っかかることはあるんだけど、それはまたいつか。

わたしは友達が多くないけど、ほんとうに大切で大好きだ。恋人よりも、ずーっと、確実に、大切にできるのだ。その人にとっての幸せをずっと祈っている。友達にも友達の話をよくしてしまうから、いつか結婚式で1人づつ紹介したいくらいだ。

わたしの中でうっすら友達>恋人の図式があった。今までそれはわたしの中であたりまえだったけれど、それはなんでだろうと最近考え始めた。

ずっと考え続け、意外と答えが出た。

友達には別れシステムがないからだ。

恋人だって友達と同じで人間関係のひとつなのに、「付き合う」「別れる」がある。いろんな形があるから、一般的な話として。関係ないけど、異性の友情は成立するかしないかの話は好きじゃない。結果論でしかないし、人間関係なんだからもっといろんな関係があっていいと思う。

わたしは臆病だから、「友達」でいれば別れなんて不穏なことはなく、ずっと大切に楽しく過ごせるって思っていた。そもそも無意識に自分で彼のことを「友達」の箱に入れていたのだった。

それでも一歩踏み出して付き合うに至ったのは、わたしが彼のことをもっと知りたかったこと、もっと一緒にいろんな景色を見たいと思ったこと、未来をいっしょに作れたらなんてしあわせだろうと思ったからだ。これが好きとか愛とかそういうほわんとしたものかと分かったのは告白を受け入れてからだった。

彼も同じ気持ちでいてくれるとわかる。なんてったってわたしの大切な大切な友達を経てきているから。10代から20代前半、ずっと変わることを恐れていたけど、いまどんどん変わっていきたいと思う。